
衝撃的な内容
以前ブログで紹介した、奈良の少年刑務所で受刑者の青年が書いた詩集「空が青いから白をえらんだのです」
空が青いから白をえらんだのです 寮美千子編を読んで 母の日に読んで欲しい一冊 | プレゼントで世界を変える
今回の「あふれでたのはやさしさだった」は奈良少年刑務所で実際に受刑者と接した経験のある作家の寮美千子さんが書いた本。
たまたま見た矯正展で刑務官に渡した名刺がきっかけで、講師として受刑者に詩を教えることになった経緯、受刑者の様子が書かれていました。
刑務所の中でも他人とコミュニケーションがうまく取れず、トラブルを起こしたり孤立しがちな受刑者達が童謡や詩を通して変わっていく様子が、ページをめくる毎に起きていくのです。
同時に頭に父親に金属バットで殴られた傷がある受刑者、刑務官の後ろで怯えている受刑者・・・
虐待、育児放棄、貧困と受刑者を取り巻く環境に絶句する内容でした。
父の日に読んで欲しい一冊
ある受刑者の書いた「涙」という詩が私にとってとても印象的でした。
父親について書いた詩です。
彼らの多くが父親から暴力を受けていたという現実。
読んで絶句してしまいました。
家族とは何か、父親とは何か。
父の日に読んで欲しい一冊です。
犯罪を減らすにはどうしたらいいのか
最近、また悲しい事件が起きました。
無差別に人を殺す事件に人々は衝撃を受け、色々な意見が飛び交っているようです。
どうか実際に殺人や強盗、性犯罪や薬物によって服役している受刑者と向き合った、寮美千子さんの本を読んでほしい。
この本を読んで犯罪、受刑者を減らす為にはどうしたらいいのかを本気で考える時期が来ていると感じました。
被害者を出さないためには 加害者を作らないこと
そのためには「助けて」と言える あたたかなの人の輪が必要
「一人で死ね!」という言葉は
困っているだれかを さらに追い詰める冷たい刃になってしまう— 寮美千子 (@ryomichico) 2019年6月2日
私にできることはなんだろう
彼らの詩をもっと知ってもらいたい。
まずは自分のブログで発信すること。
いつか詩の朗読会ができたらいいな。
私も困った人に手を差し伸べられる存在になりたいと改めて感じました。
やさしさであふれでた本屋さん
最後にこの本を買えたエピソードを紹介させて下さい。
実はこの「あふれでたのはやさしさだった」は行きつけの本屋さんでは在庫切れ。
注文しようと思いレジに立ち寄ったところ
「他店にも在庫がありません」とのこと。
数駅先の大きな本屋に探しに行こうかなーと考えていたら、店員さんが
「出版社に問い合わせしてみます」
と言ってくれたのです。
最初は正直、イチ本屋さんの要望なんて聞いてくれないだろうと思っていました。
しかし一週間後
「重版が決まったそうなので、入荷できることになりました」
と連絡をもらえたのです。
店員さんによると、私の他にも注文していたお客さんがいたとか・・・
今では本はAmazonで簡単に買える時代ですが、私はなるべく直接やりとりができる本屋さんで購入したい。
西日本出版社 (2018-12-03)
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ロクリン社 (2016-09-30)
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